大野に移住された方々
佐宗 辰哉さん
会社員を経て、カナダで英語を学び就業、カナダを自転車で横断も。帰国後、英会話教室の講師を務める。2015年度の『緑のふるさと協力隊』として和泉地区へ。東京都八王子市出身。
移住のきっかけは?
もともと都会暮らしが向いてないなと感じていて、
いわゆる『田舎暮らし』をしてみたいとずっと思
っていました。都会はどうしてもみんなあくせく
していてせわしなく、お互いが無関心で人とのつ
ながりが希薄です。でも、田舎は人と人が仲良く
助け合って笑顔で暮らしていて、お金やモノでは
ない価値観や幸せがあるのではないかなって。そ
ういう暮らしを一度してみたいと思ったのが、移
住のきっかけです。
大野に決めた理由
カナダから帰国後、子ども英会話教室の講師を半
年ぐらいしていたとき、たまたま『緑のふるさと
協力隊』のことを知りました。自分が気づいたと
きはもう2次募集の段階で、男性が応募できるの
は4地域のみ。そのなかで地域の特色とか活動内
容を読んで、一番ピンときたのが大野市和泉地区
だったんです。それに、雪深い地域なので、より
一層、住人の絆が強く、心も温かいのではと感じ
ました。名前が『辰哉』ということもあり、『九頭
竜』という『竜』を含む名称にも魅かれる部分が
ありましたね。
『緑のふるさと協力隊』の活動
基本的にボランティアで、ひとり暮らしの方の農
作業のお手伝いから、お祭など地域行事のお手伝
い、各種イベントの準備や後片づけまで、本当に
いろいろやらせてもらっています。何でも屋さん
みたいで、すごく楽しいし、おもしろい。また、
子ども英語教室の講師など、公民館の講座にも出
させてもらっています。この間はバームクーヘン
作りを、子どもたちと一緒にやったんですよ。
和泉地区での暮らし
移住する前に「田舎だから和泉の人は警戒心が強
いよ」と聞いていて不安だったのですが、実際に
来てみたらそんなことなくて、良い意味で拍子抜
けでしたね(笑)。逆に、僕が住んでいた八王子に
比べたら、みんなフレンドリー。都会だと、お店
に行っても機械的な対応だったりするじゃないで
すか。でも、こっちはみんな楽しそうで、自然体
で生き生きしているという印象ですね。僕自身も
すごい自然体でいられる場所。人生で一番ありの
ままの自分でいられるので、すごく楽しいです。
子どもたちとのふれあい
今の都会の子どもは、小さいうちからゲームやス
マホをいじっているのをよく見かけます。でも、
こっちの子どもにはそんなの必要ない。自然の中
で、自分で遊びを考えるんです。この間なんか、
むしってきた雑草を用水路に流して枝ですくい上
げるという遊びを延々とやっていて、僕も一緒に
遊んでました(笑)。子どもはこういう方がいいな
って思いますね。いつか奥さんをもらって、子ど
もを授かったら和泉で育ってほしいというのはあ
りますね。
これからやりたいこと
僕は和泉や大野が大好きなので、『緑のふるさと協
力隊』の任期が終わっても、ここに残ることに決
めています。仕事も住む場所も決まっているので
すが、個人的にやりたいこともあります。今、和
泉は高齢化で過疎化が進んでいて、人が集まれる
場所がなかなかありません。買い物をするにも、
車で30分かけて市街地まで出ないといけない。
だから、いつか自分でお店を持って、みんなが気
軽に立ち寄れる場所を和泉につくれたらと考えて
います。
どんなところに住んでる?
今は5DKの一軒家。ひとり暮らしには広いので、大野に遊びにきた外国人旅行者や友人などを泊めたりし
ています。
休日は何してる?
とりあえず、市街地に出て買い出しや、まだ行ったことのない場所やお店を訪れています。それと、ここに
きて篠笛を始めたので、家でのんびり篠笛の練習をしたりしています。
他の移住者との交流は?
県外からの移住者が何人かいるんですが、あまり会うことはないですね。
印象的なエピソードは?
4月にこちらに来たんですが、まだ2メートルぐらい雪が残っていて衝撃でしたね。雪が全部解けたのは、
5月の終わり頃かな。
地域にとけこむためのコツは?
いろんな人と、積極的に関わっていくこと。最初、自己紹介のチラシを作って、1軒1軒配って歩きました。
大野に住んで、うれしかったことは?
「あなたが来てくれて良かった」と言ってもらえると、やっぱりすごくうれしいですね。
逆に、辛かったことは?
ないですね。まだ本格的な冬を体験していないので、これからかな。でも、雪も楽しむくらいの勢いでいるの
で、大丈夫(笑)。
大野の魅力を教えて?
やはり人ですね。人が温かいし、おじいちゃんおばあちゃんも個性豊かでおもしろいです。それから、紅葉の
時期に、東京にいる父が遊びにきてくれたんですが、「自然がきれいだな。何より温かく優しい人たちに逢っ
て安心した。残りたいという気持ちが分かる。」って和泉を気に入ってくれたようでした。
先輩として後輩にメッセージを!
百聞は一見にしかず。興味があるなら、とりあえず来てみて!短期滞在でいいので、来てもらえれば魅力をわ
かってもらえると思います。